中小企業診断士たぬき。

2019年度の中小企業診断士の二次筆記試験に合格しました。試験や診断士活動についていろいろ書いていきたいです。

3回めの一次試験と3回めの二次試験

自身の試験体験記シリーズはこれが最後です。

二次試験まで合格した2019年度の試験は、一次二次ともに3回目の受験でした。2018年の2次試験が不合格になった後も、これ以上どうやれば二次のスコアが伸びるのかわからなくなり、いわゆる他年度に突入していることからいろいろな不安はありましたが、今までかけてきた時間とお金が無駄になることのほうが嫌だったので、2019年の再挑戦をすぐに決めました。

一次試験対策

まずはどのように一年を過ごすかを検討しましたが、もう通学や通信はなしでの独学一択です。迷いはありませんでした。

過去問についてはこの年は同友館の過去問完全マスターを使用することになりました。それからテキストとしては以前一次を受験した際にはまだ存在していなかったまとめシートを使用。過去問を解いては間違えたところをまとめシートで確認、メモを記載するということを繰り返しました。

一度は合格している試験とはいえ、経済だけはインプットをやり直しました。速習ミクロ経済と速習マクロ経済をメルカリで購入、毎朝動画を見て学習しました。初めて勉強したかのように忘れていることばかりだったのでこれは有効でした。その他の科目は特にインプットをやり直してはいませんが、ほらっちチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCWFRCZp5L_SZnjHAA52l1HA)をお風呂の中で見ていました。

無事、一次試験は通過、翌日から二次試験対策を開始しました。

二次試験対策

特に新しい教材には手を出していません。前年も使用していたMMCの事例4対策の問題集と、30日完成! 事例IV合格点突破計算問題集をひたすら繰り返し解きました。これは毎日やりました。

あとはやっぱり過去問です。5年分✕2回くらいだけです。もう問題も答えも覚えちゃってますからね。。この年からは別の勉強会に参加することになりました。テキストベースではなく、オンラインMTG形式で週1回1時間ほどいろいろ話をしました。やっぱり勉強会はいいですよ。自分の答えのアラが見つかったり、他の人の回答を参考に、自分にない表現を学ぶことができますし、リアルタイムだと与件や回答についてちゃんと考えていないと他の人に意見することもできないですからね。

本当はリアルに顔を合わせて参加する勉強会に参加したかったのですが、地方はそうはいきません。ですが今はネットを利用していろいろと勉強会を行う方法はあります。

それから、ふぞろいのA回答等良いと思ったものを写経していました。もともと字はうまくないです。本番に向けて少しでも慣れるために字を書くことは意識しました。また良い回答を盗みまくることで自身の表現の幅を広げたいと思っていました。ネット上に転がっている回答はもう見なくなりました。本当に玉石混交ですし。

ふぞろいも全面的に信頼はしていませんでしたが。結構ひどい回答も載ってますからねー。そこを判断できるのは他年度だからなんでしょうね。。

 

試験当日

ここからはめちゃくちゃ精神論です。

勉強会でも宣言したのですが、対して勉強のやり方も変えていない、むしろ解いた過去問の量は少なかったのに合格できたのは、精神的な面で変わったからだと思っています。

事例1は、毎年与件文も設問文も80分では理解しきれない内容の出題です。間違いなく初見の問題が出ます。事例2も、コーズ・リレーテッド・マーケティングやPPM分析のような飛び道具が出る可能性も高いです。二次試験は対策できないような出題が出る可能性が高いのです。合格者が、皆対策出来ない問題でちゃんと点を取れているのか?否です。合格者でもたいしてできていないと思います。

3年目にしてようやくこの事実に気が付きました、遅すぎですね。合格者でも点を取れていないか、というと少し間違いですね。「合格者は見たことがない問題が出ても失点はしない」というほうが正確でしょうか。

つまり何が出ても

・題意を外さない

・与件に沿って回答

であればいいのだということに気づきました。

また、前年までは60点でいいと思いつつも、事例1で失点→事例2で取り返そうとしてさらに失点、を繰り返していたことから、この年は何があっても全事例60点の意識を変えないことを強く意識しました。

そのため、見たことがない問題や解きづらい問題が出ても、「60点でいいし完璧にできなくても、失点しなければいいや」と試験前に決めて勉強会でも宣言、それを貫き通しました。

実際、2019年の事例1は「最大の理由」が2回も問われました。私は迷わずどちらの問題も理由を並列書きすることに決めました。昨年までだと無理に1つの理由に絞って書いてボツだったでしょうね。もしくは対応策に迷って5分10分を捨てていたかと思います。今でも理由を並列書きしたことが良かったのかどうかと思うのですが、まだ開示結果が出ていませんが大きな失点はしていないことは予想できます。

こんなこともあり事例1の手応えは全くなかったです。ですが事例2で点を取らないとヤバイ、みたいな思考にも陥りませんでした。事例2も3も60点でいいかーと思って試験に臨みました。ブレなかったです。

事例4は解く順番を決めていました。第1問の経営指標を完璧に解く→第4問の作文問題→第2問、第3問の計算問題を解く。またNPVが出た場合は捨てて、他の問題を解いて検算もした上時間が余った場合のみ着手、と決めておりました。NPVは部分点は稼ぎ狙いはしますが、どうせ正解している人も少ないだろうしできてもできていなくてもトータルに影響はほとんどないと考えています。これまでの2回の試験では無謀にも満点狙いで行った結果、他の簡単な問題の検算の時間がなくなり、凡ミスを重ね失点していました。

実際第1問の経営指標はこの年は手応えがなかったですが解き切りました。そして第4問に移ろうとしたときにちらっと第2問の問題が見えました。あれ、これめちゃくちゃ簡単では、、と思い第2問に着手しようとしましたがちゃんと第4問を先に書きました。第4問も「これなら6割あるな」と確認してから第2問、第3問と着手しました

2019年ははじめに決めた「60点でいいし完璧にできなくても、失点しなければいいや」と事例4の解き方を通せたこと、正直これが合格した要因だと思っています。こんな精神的なことが合格の要因かよ。。と自分でもあまり言いたくはないのですが、技術的な面で変えたことは何もないのが正直なところです。

まだ開示請求の結果は届いていませんが、いいとこ250点くらいで240点台だと思っています。事例4だけできた手応えはあったのですが、今回は事例4の素点の平均点も高そうなので事例4で抜け出せたとは思っていません。事例1~3もあまりできた手応えはなかったです。

 

結論

答えのわからない中小企業診断士の二次試験において必要なことは、4事例で点数を積み重ねることではなく、60点から失点をしないことが大事なのかなと思いました。トータル300点くらい取れるスーパーマンばかりではないですから。240点前後に多くの人が固まっていると言われています。ボーダーを超えるために必要なことは、点数を稼ぐのではなく失点をしないことだと思っています。

結果的には

・「60点でいいし完璧にできなくても、失点しなければいいや」という絶対にブレない気持ち

事例4は第1問の経営指標を完璧に解く→第4問の作文問題→第2問、第3問の計算問題を解く。またNPVが出た場合は捨てて、他の問題を解いて検算もした上時間が余った場合のみ着手

これを貫き通したことが私が合格できた理由だと思っています。

それから、再現答案については当日作成しました。事例1と2は昼休みに、3と4も家に帰るまでの電車の中で完成させました。この回答で合格しているということは、ふぞろいのA答案や合格答案はかなり盛られているな、と思いました。試験当日に、学校や他の人の意見を全く見聞きしない状況で再現しないと再現答案とは言えないでしょう。私の再現答案はめちゃくちゃピュアの99%再現できている再現答案です。「ふぞろいみたいなキレイな回答書けねー」なんて心配する必要はありません。実際あんなキレイな回答を本番で書いたかは定かではありませんし、あんなにキレイに書けなくても合格している人は多そうです。

 

こんな感じで、合格した秘訣はメンタルです、なんて言ってしまう人間なので、中小企業診断士試験に合格するためにはどこどこの学校が良い!だとか、勉強はこういうふうにする!とか二次試験はこうやって解く!みたいな技術的な指導はできないしするべきではないと思っています。合格指導ブログはすでにパイに比べたらアフィブログもたくさん存在するレッドオーシャンですからねー。そこに参入していく気はさらさらありません。

ある程度の考えを述べたり、聞かれたら自分のやり方を答えるくらいはしますが。