中小企業診断士たぬき。

2019年度の中小企業診断士の二次筆記試験に合格しました。試験や診断士活動についていろいろ書いていきたいです。

読了 社長あずさ29歳 ストーリーから学ぶ会社経営の基礎知識―経営者検定試験指定テキスト

「社長あずさ29歳 ストーリーから学ぶ会社経営の基礎知識―経営者検定試験指定テキスト」を読みました。めちゃくちゃ良いとオススメされたのでメルカリで速攻ポチりました。 

 経営者検定試験なる試験があることも知らなかったのですが、その試験対策テキストのようです。企業経営理論と運営管理を足したような試験のようで、難易度はそこまで高くなく中小企業診断士の一次試験レベルです。

29歳のあずさが社長になり、リーマンショックや東日本大震災によって売上が落ち込み損益分岐点ギリギリのパン屋を立て直すというストーリーです。あずさが行動するエピソードと、そのエピソードに関連する用語等の説明(資格試験の参考書みたいな部分)が交互に展開される形です。社長側の気持ちや考えがわかっておもしろいとのことでオススメされました。確かに私なんかは机上ベースの知識しかないので、診断受ける側からの視点を学べるのは面白いなと思いました。

実際に資格試験で勉強する企業経営理論や運営管理の知識も、実際に現場で携わっている人でなければ机上の知識にすぎません。本書ではエピソード部分にて机上で得た知識と実際の実務を結びつけて学べる点が良かったです。学習したところがどのような形で活かせるのかをイメージすることができます。パン屋でもVEとか使うんや、とか目からウロコでした。AIDMA、AISASを意識したマーケティングもこんなところで使うんや、みたいな、勉強になりました。

また、個人的にはいわゆる「営業」という職についたことがなかったため、営業もいろいろやってるんだなーと勉強になりました(小並感)。理解が深まりました。

一次試験の受験が控えている人にとっても、個別の論点が具体的なイメージで伝わりやすく知識の定着につながるのではないかと思います。特に苦手な人も多い運営管理の前半部分、工場の運営の部分については特にそうかなという印象でした。

このあずさは年齢も若く頭も柔らかいので大変有能です。まあフィクションなのでこのほうが都合が良いのですが、実際の社長と現場はこんなに易しいものではないでしょう。ですが、ざっくりと社長はこういうものを見ているんだ、こういうことを考えているんだ、ということが学べました。机上の知識から診断を行うのではなく、社長の考えを汲み取って寄り添った提案を行うために読んでおいてよかったです。

中小企業診断士受験、合格者であればどのタイミングでもおすすめできる本です。一次受験者は企業経営理論と運営管理の知識の習得に、二次受験者は事例3のイメージを深めるために、合格者は社長や企業側の考えを学ぶために。